シンポジウム「磁気科学の最前線」

化学反応に対する磁場効果は1970年代に日本で生まれた独創的研究分野であり、それ以降の実験と理論の進展により「スピン化学」として体系化された。これを基盤として、また強磁場発生技術の進歩により10T級の強磁場の利用が容易になり、最近ではスピン化学のみならず反磁性体、常磁性体の化学反応、物理過程に対する新しい磁場効果の研究(「磁気科学」―強磁場による化学反応・物理過程の制御とその応用―)が盛んに進められ、次々と新しい知見が得られている。

本シンポジウムは本分野で活躍する第一線の研究者の依頼講演で構成され、新しい研究領域「磁気科学」の最前線―何が新しいか、何がおもしろいか、何が問題か―を熱く報告してもらう。マテリアルサイエンス、ナノサイエンスなど関連分野の研究者とともに、磁気科学で生じている新たな問題について広く議論を行い、磁気科学や関連分野の融合と深化、新たなる展開を図りたい。

皆様のご参加を期待しています。

日時:9月28日(火)9:00-12:10

場所:E会場

講演者とその演題(仮題を含む):

9:00〜 9:30谷本 能文(広大院理)「強磁場でキラリティーを誘導する」
9:30〜10:00中林誠一郎(埼玉大理)「強磁場で水の物性を変える」
10:00〜10:30尾関寿美男(信州大理)「ソフトマテリアルの構造と機能を磁場で操る」
10:30〜10:40休憩
1040〜11:10木村 恒久(都立大院工)「磁場で非磁性体を並べる、動かす、パターニングする」
11:10〜11:40廣田 憲之(物材機構)「弱磁性物質に対する磁場の諸効果―水の浮上、物質分離、自己組織化 etc―」
11:40〜12:10茂木 巌(東北大金研)「反磁性物質の磁気浮上と材料プロセッシング」