93038015.833

経路積分セントロイド分子動力学(CMD)法による固体パラ水素のフォノン分散関係の研究


金沢大理・奈良女子大

○斎藤大明,衣川健一,長尾秀実,西川清



Abstract


経路積分セントロイド分子動力学(CMD)法を用いて、固体パラ水素の定温・定圧シミュレーションを行った。その結果から、動的構造因子S(k,ω)の計算をし、この量子結晶のフォノン分散関係についての研究を行った。計算したS(k,ω)を中性子非弾性散乱実験から得られるスペクトルと比較した結果、計算されたスペクトルは実験で得られたものと定量的に一致していた。これは、この結晶の動的性質がCMDシミュレーションにおいてよく再現された事を示している。

We have carried out the isothermal-isobaric path integral centroid molecular dynamics (CMD) simulation for solid para-hydrogen. From the obtained results , we have calculated the dynamic structure factors S(k,ω),and investigated the phonon dispersion relation in this quantum crystal. From the comparison with experimental values , it is found that the dynamical properties of solid p-H2 are well reproduced in the CMD simulation.