92928324.191

ベンゼン−トルエン混合3量体イオンの光解離分光−近赤外及び赤外スペクトルによるクラスター内正電荷分布の解明−


分子研・九大院理

○井口佳哉,大橋和彦,関谷博,西信之



Abstract


ベンゼン(B)及びトルエン(T)を構成分子とする3量体イオンに光解離分光を適用し、近赤外及び赤外スペクトルを観測した。芳香族クラスターイオンでは、最もイオン化ポテンシャル(IP)の低い構成分子に正電荷の大部分が存在する場合が多い。しかしB+においては、トルエンの方がベンゼンより低IPであるにも関わらず、その正電荷はベンゼンダイマーイオンコアとして存在していることがスペクトルより明らかとなった。

We investigated positive charge distribution in benzene (B)-toluene (T) mixed trimer ions by applying the mass-selected photodissociation spectroscopy in near Iinfrared-infrared region. In B2T1+ ion, the positive charge exists as benzene dimmer ion, although a toluene molecule has low ionization potential (8 83 eV) than that of benzene (9 25 eV).