ソラレン誘導体の励起状態ダイナミクスに関する理論的研究
早大理工
○中田彩子,馬場健,高橋博彰,中井浩巳
Abstract
ソラレンやその誘導体である5-MOPや8-MOPは、皮膚病の原因となっているDNAに光付加しその機能を失効させるため、皮膚病の治療薬として広く利用されている。そのため、ソラレン化合物の励起状態ダイナミクスに関して過渡吸収スペクトルなどの多くの実験的研究がなされてきたが、その帰属でさえはっきりとは結論付けられていなかった。本研究では高精度な電子状態理論計算を行うことにより、これら分子の基底・励起・イオン化・アニオン化状態を系統的に検討し、ソラレン誘導体の過渡吸収スペクトルの帰属及びそれらの励起状態ダイナミクスについて考察する。
Psoralen and its derivatives(5-MOP,8-MOP) are widely used as a curative medicine of a skin disease because of their photosensitivity. In this research, the ground, excited, ionized and electron attached states are examined by SAC/SAC-CI calculation. The structures and dynamics of excited states are investigated for these compounds.