二次元赤外分光法による卵白アルブミン水溶液の熱変性過程に関する研究
関学大理
○柿沼繁,勝本之晶,尾崎幸洋
Abstract
卵白アルブミンの変性過程は円偏光二色性(CD)測定や示差走査熱量(DSC)測定などで広く研究されている。CD測定によると、上記タンパク質は67度付近でそのヘリックス含量が減少する。本研究では卵白アルブミン水溶液の赤外スペクトルを全反射吸収(ATR)法を用いて測定を行った。二次元相関分光法とカーブフィッテングによる解析結果から、熱変性に伴う二次構造の変化のダイナミクスについて新たな知見を得たので報告する。
In this study , heat-induced denaturation of ovalbumin was investigated by use of attenuated total reflection infrared spectroscopy (ATR/IR). The temperature-dependent ATR/IR spectra of ovalbumin were analyzed by use of two-dimensional infrared spectroscopy and curve fitting.