(N2O)2およびN2O-CO2の赤外ダイオードレーザー分光−錯体形成によるN2Oν3振動の振動数変化−
城西大理
○尾崎裕,堀合公威,紺野東一,上原博通
Abstract
パルスジェットを用いてファンデルワールス錯体(N2O)2とN2O-CO2の赤外ダイオードレーザー分光を行った。得られたスペクトルを報告されている錯体の構造を用いて解析した結果、N2Oν3バンドのオリジンは(N2O)2で+5 722 cm-1、N2O-CO2で+0 594 cm-1であることがわかった。これらの錯体と(CO2)2はほぼ同じ構造をしているが、その反対称伸縮振動のうちで特に(N2O)2のN2Oν3振動だけが大きなシフトをもつことがわかった。
Infrared absorption spectra for (N2O)2 and N2O-CO2 van der Waals complexes are measured and analyzed by pulsed beam diode laser spectroscopy. The shifts of the N2O ν3 band origin upon complex formation are determined. The shift for (N2O)2, +5 722 cm-1, is much larger than that for N2O-CO2, +0 594 cm-1.