アルカリ金属−アクリロニトリルクラスターにおける重合反応生成物の安定性〜サイズ選別された光イオンの準安定解離と光解離の観測
東北大院理
○大下慶次郎,古屋亜理,角山寛規,美齊津文典,大野公一
Abstract
アルカリ金属(M)とアクリロニトリル(AN)のクラスターM(AN)nは、金属原子からの電子移動によりANのクラスター内重合反応が誘起される。この反応生成物の安定性のサイズ依存性を研究するために、反射型質量分析計を用い光イオン化後の準安定解離および光解離を観測した。K(AN)nでは、n=4からの準安定解離は観測されるのに対し、n=3では観測されなかった。これはK+(AN)3がK+(AN)4に比べ安定であることを示している。
We have observed metastable- and photo-dissociation processes of clusters containing metal (M) and acrylonitrile (AN) in order to investigate the size-dependent stability of products formed by intracluster oligomerization. From K+(AN)4, metastable decay is observed while from K+(AN)3 such decay is not observed. This feature reveals that outstanding stability of n=3.