93027590.153

塩素分子のVUVおよびUV発光スペクトルとそれを用いた新しい塩素検出法の開発


京大理・京大院理・国立環境研

○増本一郎,新田吉陽,寺本高啓,佐藤あすか,鷲田伸明,猪俣敏,今村隆史



Abstract


塩素分子にクリプトンの共鳴線(123 6nm)を照射するとたまたまX1Σg+→21Σu+(v'=3)の吸収の回転線とエネルギーが合致するため3種の発光が観測される。1つは真空紫外部の共鳴的発光21Σu+→X1Σg+であり、他は11Σu+→X1Σg+(真空紫外部135−200nm)と3Πg3(PI)u(紫外部255nm)である。これらの発光は各々第三体気体による内部変換と項間交差による過程である。特に三重項間の発光(255nm)は窒素ガスを数百Torr加えることにより非常に強くなる。この事を利用して新しい塩素検出器への応用が可能となった。

Three new emission spectra of Cl2 have been observed in the VUV and UV (125-260nm) region. These emission bands were produced in the VUV irradiation of Cl2 by a krypton resonance line (123、6nm). Among three bands,the 3Πg3Πu band (255nm) intensity increased by the addition of N2 gas. Mechanisms of internal conversion and intersystem crossing will be discussed.