ab initio MD 法による化学反応の解析:熱エネルギーがある場合の化学反応経路
広大院理・阪大産研・PNNL
○相田美砂子,三宅敏子,山高博,Michel Dupuis
Abstract
化学反応の経路は、反応出発物・遷移状態・反応生成物を特定し、さらにそれらの間を結ぶIRCを求めることによって理解される。しかし、IRCは絶対零度における経路である。実際の化学反応はある温度のもとで進行する。熱エネルギーが与えられた場合にどのような経路で進行するのか、また、理論的に得られる「遷移状態の構造」と「実際の遷移状態」とはどの程度違うのか、について、ab initio MD法によって検討する。
Ab initio molecular dynamics calculations were carried out to analyze the mechanisms of reactions at finite temperatures. It is shown that the trajectories are not always similar to the IRC path and that theoretically determined TS structure is not always passed through during reactions.