有機伝導体の物性はその結晶構造に大きく依存するが、結晶構造を意識したドナー分子の設計はあまりなされていない。そこで長鎖アルキル基を有するテトラチアペンタレン系ドナー、C_nTET-TTP、C_nTES-TTP、C_nTEO-TTP、Et₂BEDT-TTP、TTC_n-TTPを設計・合成した。これらのドナー分子を用いて電荷移動錯体を作成したところ、アルキル基が長くなるにつれて、アクセプターの取り込み比が大きくなり、結晶内のドナー間の相互作用が大きくなる傾向があることが判明した。

An attachment of long alkyl chains to the tetrathiapentalene skeleton is a powerful tool to control the donor arrangement and the donor-anion ratio in the charge-transfer complexes. In fact, a series of C_nTET-TTP shows that the longer alkyl chains enhance the anion content and the interaction between the donor molecules.