ET/MnClx/solv系の電気的・磁気的性質
北大院理・北大電子研
○内藤俊雄,稲辺保,芥川智行,長谷川達生,中村貴義
Abstract
(ET)3(MnCl3)2(EtOH)2 (A), (ET)7(MnCl4)2(TCE)2 (B), (ET)3(MnCl4)(TCE) (C) はいずれも同様の条件の電気分解によって得られてくる関連化合物であり、それぞれに興味深い電気的・磁気的性質を示す。これらに共通する特徴は、Mnイオン上の局在スピンとET上の伝導電子との相互作用が常圧下では弱く、それぞれがある程度独立に振る舞っているように見えることである。この結果、温度や圧力変化に対し伝導電子、局在スピン、格子のそれぞれの相図が重なり合い、全体として多様な相が出現する可能性がある。こうした相の中にはこれまで共存が難しかった電子相の出現も期待できるため、我々は一連の化合物を広く探索している。今回はこれまでの報告に次いで、主に(B)、(C)のESR、磁化率などの磁気的性質を調べたのでそれらをこれまでの関連データと比較しながら議論する。
(ET)3(MnCl3)2(EtOH)2 (A), (ET)7(MnCl4)2(TCE)2 (B), (ET)3(MnCl4)(TCE) (C) are intriguing in that their electrical and magnetic behavior are independently subject to change in accordance with temperature and pressure. In e>xpectation of finding a rare combination of electrical and magnetic behavior in these and the related materials, we have examined their physical properties. We will discuss the t>emperature-dependent ESR spectra and magentic susceptibility of (B), which have been recently measured.