フェノール・アンモニアクラスター中の水素原子移動反応に関する理論的研究;電子状態とポテンシャルエネルギー曲面
都立大院理・分子研・科技団
○大極光太,田中哲彦,石内俊一,酒井誠,藤井正明,橋本健朗
Abstract
最近報告されたフェノール・アンモニアクラスターPhOH(NH3)n(n=2-5)の励起状態における水素原子移動反応機構を解明するため、ab initio MO法によりn=3の電子状態とポテンシャルエネルギー曲面について考察した。水素移動型構造ではπ[PhO] - 3s diffuse[NH4(NH3)2]相互作用が重要であり、またS1とT1状態が構造、エネルギー的に近いことを明らかにした。
We have investigated the electronic structure and potential energy surfaces of PhOH-(NH3)3 by ab initio MO method to understand the hydrogen transfer in the excited state. At the H transferred structure, PhO-H(NH3)3, the π[PhO] - 3s diffuse[NH4(NH3)2] interaction is important and the energy separation between S1 and T1 states becomes small.