92910568.900

ケイ素2重結合と15族原子の相互作用の非経験的分子軌道計算による研究


理研PDC・東北大院理

○高橋まさえ,坂本健吉



Abstract


我々は最近ジアミノシリレン2量体について非経験的分子軌道計算を用いて調べ、ケイ素と窒素の孤立電子対の相互作用により、さまざまな構造をとりうることを報告した[Takahashi, M. ; Tsutsui, S. ; Sakamoto, K. ; Kira, M. ; Mueller, T. ; Apeloig, Y. J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 347. ]。本報告では窒素のかわりにリンとケイ素の作用に着目し、Si-P パイ電子系の構造と安定性について調べた。その結果ケイ素に結合した3配位のリンは窒素と異なり、鋭くピラミッド化していること、(H2P)HSi=SiH(PH2)のリンはジシレンのパイ軌道にほとんど直交していることなどがわかった。

We have recently reported the nature of the dimerization of diaminosilylenes to tetraaminodisilenes [Takahashi, M. ; Tsutsui, S. ; Sakamoto, K. ; Kira, M. ; Mueller, T. ; Apeloig, Y. J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 347. ]. The purpose of the present ab initio MO study is to expand the results to phosphorus-substituted silylenes and disilenes.