レーザー光分解法を用いた吸熱的三重項エネルギー移動の研究
群馬大工
○山路稔,若林さやか,飛田成史
Abstract
ナフチルメチルフェニルスルフィドは三重項状態で炭素ーイオウ間の化学結合解離反応を起こす。この化学反応過程を三重項エネルギー移動のセンサーとして用いることによりいくつかの三重項カルボニル化合物からこの分子への三重項エネルギー移動の速度をレーザー光分解法により決定した。吸熱的な三重項エネルギー差を持つ系においても、三重項エネルギー移動が進行することを見出し、エネルギー差と速度の関係について検討する。
The rates for triplet energy transfer from some ketones to naphthylmethlphenyl sulfide in acetonitrile were obtained at 295 K by means of laser flash photolysis. It was found that tiplet energy transfer occurs in the donor-acceptor system with a triplet energy gap of 2 kcal mol-1.