星間塵表面上で形成励起された水素分子からの赤外発光スペクトル
理研・日本SGI
○高橋順子,上原英也
Abstract
星間水素分子は、星間塵表面上で形成される際、形成励起(FormationPumping)機構によって電子基底状態の高い振動回転状態へ励起され、その後、自然発光過程によって赤外線を放射する。形成励起された水素分子からの赤外発光スペクトル(形成励起光)を計算したところ、それらが暗黒星雲形成領域において観測可能な強度を持つと共に、星からの紫外線により電子励起状態へ励起された水素分子からの赤外発光スペクトル(UV励起光)とは区別できることを見い出した。形成励起光は宇宙空間での固体表面反応に由来する新しいプローブ光になると考えられる。
Interstellar molecular hydrogen newly formed on the surface of dust grains should be in highly vibrationally and rotationally excited states in the ground electronic state via the formation pumping mechanism. We calculated infrared H2 emission spectrum arising from formation pumping, and found that it can be discriminated from that dominated by UV pumping.