対称π共役有機分子系の二光子吸収に関する第二超分極率の可視化
阪大院理
○藤田陽師,中野雅由,高畑昌弘,山口兆
Abstract
有機分子の二光子吸収(TPA)という現象は3次の非線形光学効果の1つとして注目されており、最近では従来の有機分子の数十倍のTPA断面積をもつようなπ共役分子も報告されている。本研究ではこのような分子設計に寄与すべく、TPA断面積に関与する第二超分極率の虚部の表式を簡略化し、1光子共鳴のある系でも適用可能かつ、構造−物性相関を可視化できるようにした。例として対称分子トランススチルベンのTPA解析を行う。
Two-photon absorption (TPA) is described by the imaginary part of the second hyperpolarizability (Imγ). Instead of usual simplified formulae for Imγ, we derive alternative approximate formula, which can treat the case of one-photon resonance and is useful for analyzing the spatial contribution to Imγ. As an example, we apply this method to trans-stilbene.