有限層グラファイトの層間相互作用を軌道相互作用の観点から考察した。本研究では、有限層ABABスタッキング型のグラファイトの層間距離を密度汎関数法を用いて最適化した。その結果、偶数層グラファイトの層間距離は層数の増加にともない減少するものの、奇数層グラファイトの層間距離はほぼ一定で、バルクの値に近いことが明らかとなった。この層間距離の振動現象は、奇数層グラファイトのフェルミレベル近傍の非結合性軌道に由来するものと考えられる。

The orbital interactions between sheets in graphite slabs is theoretically analyzed in cases where the number of sheets is small. We predict from nodal properties in the interlayer orbital interactions that the distance between nearest neighbor sheets should be short when the number of sheets is odd.