p-クロロ安息香酸のピペリジニウム塩とピロリジニウム塩における35ClNQR
横市大院総合理
○本多尚,中野亮,木村太紀
Abstract
表題化合物は水素結合を形成することが知られている。本研究では水素結合の状態変化の情報がどのように分子内を伝わっていくのか調べることを目的としている。測定方法には、cwNQRを用い、電子分布を評価する際は量子化学計算を行った。計算には密度汎関数法を用い、B3LYP/6-31+G**レベルの計算を行った。各塩のNQR共鳴周波数は測定温度範囲で1本づつ観測された。その周波数はピロリジニウム塩で33 78MHz、ピペリジニウム塩で33 90MHzと、構造が似ている両塩間で大きく異なった。この原因を知るために、水素結合を形成している水素を重水素置換し、そのNQR周波数測定を試みた。
p-chlorobenzoicacidformshydrogenbondingwithpyrrolidineandpiperidine. Wemeasuredtemperaturedependenceof35ClNQRfrequencyineachsaltandweobtained33 78and33 90MHzatroomtemperatureforpyrrolidiniumandpiperidiniumsalt,respectively. Toanalyzethisfrequencydifference,wesynthesizedthepartiallydeuteratedanalogsandobservedNQRfrequency.