ケルビン法によるC60/金属界面のバンドベンディングの検証
名大院理・名大物質国際研
○林直樹,石井久夫,大内幸雄,関一彦
Abstract
本研究では3種の金属基板上(Au、Cu、Ag)にフラーレンを真空蒸着した時の真空準位の位置の変化を、ケルビン法を用いて膜厚の関数として超高真空中にて測定した。すべての界面においてフラーレンの膜厚が単分子層領域で急速に真空準位のエネルギー値がシフトし、その後500nm程度の領域に渡ってゆっくりと変化し、ほぼ同一なエネルギー値に収束した。この事から、この緩やかな変化は不純物準位などに起因するバンドベンディングであり、従来数分子層のC60で生じると考えられていたフェルミ準位の一致は、界面におけるエネルギー準位のピン止めによるものであると考えられる。
We investigated band bending behavior at C60/metals (Au,Ag,Cu) by Kelvin probe method under ultrahigh vacuum. Theenergy of the vacuum level of the film abruptly shifted at monolayer thickness region and then gradually varied depending of the film-thickness up to 500 nm indicating the existence of band bending possibly due to some impurity.