| 相対論的原子構造理論は、１９６０年以降多電子原子系への応用が広く行われるようになった。これは、非相対論的枠組みで発展してきた手法を相対論的枠組みに拡張するということで、系のエネルギーも波動関数も主要な相対論的効果を摂動計算で補正する従来のやり方よりも効率的に計算できることがこの原因としてあげられる。しかし、相対論的多体問題の厳密な取り扱いは、量子電磁気学(QED)の場の理論の立場からみると困難さ大きく、実際の計算は、大胆な近似や仮定を用いて行われている。ここでは、その多電子原子系に適用する時の問題点と様々な応用、特に原子分光学が必要な天文学、プラズマ分光学等の最近の動向について述べる。 |
| The relativistic atomic structure theory has gained much popularity since 1960. However,the rigorous treatments of relativistic many-body theory containmany difficulties from the field theoretical point of view and practicalcalculations have been carried out with some approximations. In thistalk,I describe such difficulties and also the recent practical applicationsin the fields of astronomy and plasma spectroscopy. |