| ドナーとしてTMTTFおよびTMTSFを用い、対イオンとして陽子受容能をもつ陰イオンであるTNBP2-を用いて錯体の作製を行った。ともに組成２：１の錯体であり、１次元的に積層したドナーカラムが陰イオン分子で隔離された構造を取っている。しかし、TMTTF錯体が室温伝導度10-7Scm-1で非磁性であるのに対し、TMTSF錯体は室温伝導度10-3Scm-1で常磁性を示す。この性質の違いは、陰イオン層のプロトン付加による価数変化に起因すると考えられる。 |
| We prepared (TMTTF)2TNBP and (TMTSF)2TNBP, which have one-dimensional stacked donor columns separated by anion molecules. The former and latter show the nonmagnetic and paramagnetic behavior and σRT of 10-7 and 10-3 Scm-1, respectively. The differences are regarded to be caused by the partial protonation of the TNBP2- in the TMTSF case. |