要旨
鉄含有ゼオライトは亜酸化窒素存在下で、ベンゼン、メタンをフェノール、メタノールにそれぞれ酸化する。この反応は強固なC-H結合を容易に活性化するため大変興味深い。しかしこの反応機構について、その活性種さえ未だ明らかではない。そこで本研究では、鉄含有ゼオライトによるベンゼン、メタン水酸化反応について、密度汎関数を用いて考察した。その結果、この反応は、いったん安定な中間体を経て生成物錯体に至る二段階で進行することが明らかになった。

ABSTRACT
The catalytic cycle for the direct methane-methanol and benzene-phenol conversions that occur on the surface of Fe-ZSM5 are analyzed from B3LYP computations. We propose a reasonable model for an active site responsible for the catalytic reactivities of Fe-ZSM5 zeolite.